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からだと心に潤いをもたらす 秘めたるフラワーパワー

生活に潤いを与える花

昔から日本人は、花が咲く頃になると「お花見」と称して、花をめでながらお茶をたてたり、お酒を飲んだり、詩を詠んだりと、花を慈しんできました。花に含まれる芳香成分は、心身をリラックスさせる効果があるといわれ、アロマセラピーとして人気があります。

さらに、花の色は、昔から天然の着色料として使われてきました。紅花の赤、マリーゴールドの黄色、クチナシの実の黄色、サフランの黄色などが料理や食材、お菓子などを彩っています。

幸せを呼ぶマリーゴールド

マリーゴールドは、「聖母マリアの黄金 (Mary's gold) の花」とも呼ばれ、聖母マリアのように常に人々を見守っていることになぞらえて命名されたといわれています。

また、古代ギリシャ人は、婚礼の席をマリーゴールドで飾ると、幸運に恵まれると考えていました。マリーゴールドが出てくる夢は、成功、幸運な結婚の暗示といわれ、恋のおまじないにも使われていたそうです。また花言葉は、花の色によって変化し、黄色の花が「健康・可憐な愛情」、オレンジ色が「予言・真心」、といずれもポジティブなメッセージを感じさせる言葉となっています。

このようなたくさんの逸話からも、マリーゴールドは古くから“幸せの象徴”として親しまれてきたことがわかります。

マリーゴールドの秘めたパワー

西洋では身近な着色料として使われてきたマリーゴールドには、もうひとつの顔があります。マリーゴールドの花のオレンジ・黄色の成分は、カロテノイドのひとつであるルテインなのです。

マリーゴールドには、生花店でよくみかける「フレンチ・マリーゴールド」と、花が大輪で背が高い「アフリカン・マリーゴールド」、「メキシカン・マリーゴールド」などがあります。アフリカン・マリーゴールドは、30〜90㎝の高さまで成長し、花も大型です。大輪のアフリカン・マリーゴールドや花弁の色が濃いものほど、濃度が高いルテインが抽出されます。

マリーゴールド

キク科、コウオウソウ属の一年草。原産地はメキシコ。

人間の目に存在する栄養素ルテイン

ルテインは、ホウレンソウやケール、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に含まれているカロテノイドの一種で、人間の体内器官や皮膚などに存在する成分です。また、目の網膜の黄斑部分にも存在しています。

時代が進むにつれ、テレビやパソコンが作り出す「人工の光」を吸収し遮断する作用があると考えられるようになり、アメリカや日本で研究が進んでいます。

体内で作り出すことができないルテイン。積極的に食品からとるように心がけたいものです。

世界中の研究者が注目するクチナシの色素成分であるクロセチン

クチナシの花は6〜7月によい香りの花を咲かせ、庭植えの木として愛されています。学名の種名「jasminoides (ジャスミノイデス)」は「ジャスミンのような」という意味からきています。

また、クチナシの実は、10〜11月頃に赤黄色に熟しますが、熟しても口を開かないことから「くちなし」の名前がついたともいわれています。クチナシの実は着色料として、日本人になじみ深い料理であるきんとん、たくあん漬けなどに使われています。

この色素成分は、クロシンと呼ばれる物質で、クロシンから天然カロテノイドの一つ「クロセチン」が作られているのです。クロセチンは、750㎏ (軽自動車1台分の重量) のクチナシの実からたったの1㎏しか抽出できない貴重なカロテノイドです。

クロセチンは、水にも油にもなじむ両親媒という性質をもち、分子量が通常のカロテノイドの3分の2程度と小さいため、体内に素早く効率よく吸収されます。他のカロテノイドが通過しにくい体内の組織へも到達することから、その作用が着目され、世界中で研究が進められています。

クチナシ (クチナシの実)

アカネ科、クチナシ属の常緑低木。原産地は日本、ベトナム。